山陽立地・つれづれDEEP

10年にわたって書き散らかした事々を、この際一か所にまとめた

平成20年春・醍醐の櫻4月4日

今年の櫻は開花が順調とか。3日夜の天気予報では、この週末から天気が崩れるとのこと。急に思い立って4日、醍醐寺の櫻を見に行くことに決定。・・・醍醐寺は『秀吉の醍醐の花見』として知られているが、醍醐寺そのものは、真言宗の宗祖・弘法太子の孫弟子にあたる理源大師・聖宝が貞観16年(874)、醍醐山上に草庵を結び、准胝・如意輪の両観音像を彫刻し、堂宇に安置したことに始まる。
開創後、醍醐、朱雀、村上の三帝の深い帰依によって、次々に堂塔が建立され、天暦5(951)年には五重塔が完成。山上山下のまたがる大伽藍が整ったといわれている。・・その秀吉が醍醐の花見に際して、翌年の花見のためにもと秀吉自らが基本設計をおこなったのが三法院庭園である。作庭は4月ころから始められ、その年の8月に秀吉が死去したあとは義演の指導のもとで続けられた。作庭は義演が亡くなる1624年(元和10年)までの27年間にわたった。三宝院境内のしだれ櫻はとくに有名で天下の名石『藤戸石』とともに必見の名勝であります。・・そんな秀吉でさえ見ることがかなわなかった櫻の盛りを見るうちに、恩賜館展示の前大納言・中山愛親が記した醍醐山の名花という絵巻に目を奪われてしまった。櫻の其々の姿を描き、その微妙な差異を見過ごすことなく書き上げてある。其々に似つかわしい名前が添えられ、その名からだけでも、たたずまいが想像できる。その名を記すと・・・小さくら・紅の小桜・きさらき桜・かさねの小桜・糸さくら・単の伊勢・重の伊勢・青葉の山桜・三よし野・重の糸桜・赤紫の山桜・うばさくら・塩時・入相さくら・ひとえの江戸・地主・芳野・きりか谷・かさねの江戸・とらの尾桜・明ぼの桜・普賢象・しくれさくら・楊貴妃・奈良の八重桜・法輪寺・白のにほひ・樺さくら・ひとえの浅黄桜・廊間桜・常盤桜・重の浅黄・有明桜・重の有明桜・玉桜・・すこしは桜満開の情景が浮かんできましたか。