山陽立地・つれづれDEEP

10年にわたって書き散らかした事々を、この際一か所にまとめた

東北の三大桜を訪ねて⑯湯瀬は良えぜよ

a675b40fjpeg弘前から今夜の宿泊先・湯瀬温泉へは東北道をつかえばものの70キロ。秋田県鹿角(かづの)市八幡平(はちまんたい)の湯瀬ホテル。ここがなかなかの宿で、フルムーン旅行の締めくくりとしてTRAPICSも少し気を使ったのが分かる。米代川の両岸に8F・12Fのタワーを建て、渓流に渡り廊下を設えて、半ばには昭和8年造の日本庭園を見晴らすベランダまで用意してある。その宿の佇まいに心惹かれるてなことは滅多に経験しないことなのに、この宿は何故か少々お気に入りと言えるかな。シンボルのみみずくを各所にあしらい、玄関から見上げる搭屋にはウインクみみずくが描いてある凝りようだ。
しかしなんといっても圧巻は、日本庭園に屹立する今盛りの枝垂れ桜の見事さ。部屋に落ち着き窓外を見晴らすその眼前に、まったく目線の高さで枝を広げる。さらに驚きは、暮れなずむにつれて、明るさを増すライトアップの光の中に、青空の下とはまた違った美しさ・味わいを見せはじめたことです。430c7575jpeg

























今までに桜見物といえば,野中の一本櫻を目指したり、桜並木を通り抜けたり、吉野山のごとく全山見晴らすことはあっても、座敷に座したままで、窓外の桜と対面するのは初めてのこと。渓流の音に包まれてしばし桜の精に魅入られた如く時を過ごす。通された部屋もまさに庭園を見せる趣向を尽くし、どうやらかなり道楽が入っているんじゃないとの直感は当たっていて、かの玉川温泉新玉川温泉で稼いだ分をこのホテルにつぎ込んだとのことだ。もうひとつ驚かされたのが、夕食バイキング会場でサービス係としてかいがいしく働くクーニャン達の躾の良さです。名札を見ると王・林・李と記されていて、研修名目で6ヶ月契約でやってきているらしい。鬼首の韓国ツアーユースといい、中国人が中国人を日本の地で接待している様など、この鄙びた東北の田舎にまで押し寄せている国際化の波。ほんとこんなことになっているとは知らざった。お土産を買い足して、ロビーに店開きしている宅急便で荷造り完了。
この旅の最後の夜もなにごとも起こらず過ぎていく。