山陽立地・つれづれDEEP

10年にわたって書き散らかした事々を、この際一か所にまとめた

科挙の物凄さ

中国における科挙の存在は、下層の民が這い上がる唯一のチャンスとして数千年にわたって連綿と続けられてきた。何しろ科挙にトップで受かれば皇帝の息女を嫁にもらえる資格が与えられる。
この東林書院からも永い歴史の中、受かった人々の名前が東屋の変額に掲示されているが、その長さに比べれば恐ろしいほど数は少ない。
どれほどの難関であったことか。信じられないような秀才が我こそはと挑んだ。その熱気が、余韻が感じられる心地がする。
ところで、この秀才信仰はしっかり日本も受け継いできて、近くは陸軍恩賜の軍刀組の一塊の秀才が、国の運命を弄ぶに至った。
今に続く秀才官僚がこの国を動かす様子に、大いに危惧を覚える。
彼らの秀才は受験勉強と言う答えの有る世界でこそ発揮されるのであって、一体どちらの方向に国の針路を取れば良いのか、暗中模索のこの時代に、まさしく機能しているのか心配でならない。