山陽立地・つれづれDEEP

10年にわたって書き散らかした事々を、この際一か所にまとめた

(K-4)メモリアルツアー③銀座でアントニオ猪木に遭遇・ランブル

銀座通り松坂屋の裏筋。銀座の母のお店からすぐの並びに珈琲だけの店との古びた看板を見つけた。入口に焙煎室が設けてある。如何にも旨いコーヒーを飲ましてやるぜ的雰囲気のお店。
思わずふらふらと入ってしまった。
お店のスタンダードなコーヒーをお願いしてカウンター越しにマスターのコーヒードリップを見つめる。
カリタを使ったペーパードリップなんだけど、ポットから注がれるお湯は糸のように細く、丁寧に慎重に豆をほぐし開花させて行く。これ以上は無い程の静かな入れブリ。まるで剣豪の剣技を見ているようだ。
内装は時代もので、使い込んだその果てまでの感じ。開店はいつと聞いてみるに、昭和25年との返事だ。そう親父が山陽喫茶をオープしたころとほぼ同じ時代。
私に教育を付けず、コーヒー一筋を守らせていたら、行き着いたのはこのお店の境地だったんだ。
確かにコーヒーは旨かった。ゆっくり味わう私の眼前をとんでもなく大きな体と、見覚えのあるしゃくれた横顔、それと赤いマフラーが過ぎった。
あれと思う間もなく出口へと姿を消したが、思わず猪木と声を上げちゃった。そのあとをマネージャーさんがお愛想をして追いかけて行く。
あれは猪木さんとマスターに聞くと、お得意さんでとちょいと得意顔。
残念ながら写真は撮り損ねたが銀座で猪木は忘れられないハプニングとなった。