山陽立地・つれづれDEEP

10年にわたって書き散らかした事々を、この際一か所にまとめた

2013年の憂鬱(中小企業金融円滑法ー返済猶予法終了と消費税8%と国債と)

報道では2011年の倒産件数が前年度を下回ったとなにやら嬉しげ。新聞報道も一応その事実は報道しなければという姿勢で報じているが、その記事のサイドに邦銀資産の劣化リスクー企業の返済猶予膨らむとの特集を組んで、敢えて警告を発しているつもりなんだろう。なにせ、銀行の収益を支える貸し出しと国債投資のうち、国債危機がまじかに迫る中、亀井・日本新党がごり押しで成立させた返済猶予法が金融庁の考えでは、一年延期の期限となる2013年4月をデッドロックとしている。
このリーマンショックで業績が悪化した中小企業を救済するための特例法だったが、銀行側はこれ幸いとばかりに、リーマン以前から弱り切っていつ倒産してもおかしくない取引先をこれにねじ込んで、政府の保証付き債権に変身させ、その上正常債権として扱えることから引当金を積まなくてすむという自己保身を図った。それ故、この特例法が廃止されると直ちに不良債権となる貸出総額は約66兆円に上ると観られている。
国債に関しても、金利が1%アップすれば3メガBK全体で2兆円の含み損を抱えることになる。
そして消費税増税。2012年下期は増税前の駆け込み購入が住宅を中心に巻き起こることだろう。しかしそのピークを過ぎれば一層の市場冷え込みが起こることは、過去の実施時・増税時に経験済みだ。
かくして、銀行を襲う3重苦目前がこの2012年。その陰に怯えて憂鬱な一年となること必定なり。