山陽立地・つれづれDEEP

10年にわたって書き散らかした事々を、この際一か所にまとめた

神戸商大応援団吹奏楽部の不思議③体育会系ミュージシャン

img348.jpg応援団吹奏楽部のデビユーはなんとかかんとか飾ることができました。私も3回生の頃はまだ余裕があったわけです。しかし、商大祭も終わり、サッカー秋季リーグも終わり、主将のバトンを引き継いだトタン、体中をあの警戒警報が鳴り渡り、響きだし始めた。脅迫感ではなく、何事かやりぬくぞという緊張の極みが、身体の芯を突き通る。もはや、就職も、卒論も、何も眼中にない、一種狂乱の一年が始まったのです。この一年、支えてくれた同期のマネージャー則純幸(松下電工部長)と長本省三、卒業を一年先に延ばした楠瀬強諸氏を始めとして、大迷惑をかけた経緯は「サッカー命の日々」に詳しく記しております。そんな状況下、放つておいても子は育ちます。明石高校後輩の小林武司が2回生ながら、その手腕を発揮して、演奏の練度を上げてゆく。また新1回生を迎えて所帯もかなりの充実を見ました。けれども、最小編成の25-30名にはどうしても至らない。そのころ勇名を馳せていた関西学院応援団吹奏楽部を目指すものの、その実現はどう考えてみても無謀といえる。そこで我々商大オリジナルな路線を行こうということで協議一決したのが、FULLBANDスタイルへの編成でありました。不思議と、SAX・PET・BONEの連中ばかりで、他のパート吹きは居なかったことも、この編成に仕立てる要因となりました。かくして出来上がったのは応援団附属の吹奏部としては前代未聞のFULLBAND.よくもまあこのやりたい放題を周りが許してくれたことよと今更ながら冷や汗三斗の心地がしますし、いくらサッカーに専念といっても、音楽からは矢張り完全に離れること叶わずという訳で、なにはともあれ、出来てしまったものは仕方が無いということで迎えた1965年商大祭。それまでの間、サッカーのグランドまじかで練習している援団バンドを、スパイクを履いたままの格好で、汗を拭きながら指揮をするなどということも許されながら最終ステージがやってきました。
今その商大祭前夜祭ー音楽の夕べーと題したプログラムを見ています。この年の商大祭メインはサッカー部大OB・大森実氏「日本の現代」と題した特別講演会であったことを発見。これは聞き逃したなあ。日時は11月10日(水」於国際会館大ホールとある。ちょうどリーグ戦まっ最中、第3戦と第4戦の間の週ですで。よく出れたもんだ。日本民謡グリークラブの次、2播目の出番とある。メンバー紹介に指揮・野津伸一(馬鹿やろう名前を逆さにしてどうする。そういえば応援団の卒業者名簿にも名前が出てなくて、児島団長に文句をつけたことがあったけ。)ALTESAX3・TENORSAX2・BONE4・PET4の完璧なSWING・FULLBAND。曲目は4曲演奏で2曲のみ解説が付いている。LA MACARENAと
TONIGHT。たぶんMACARENAは仲本のPETをヒユチャーしての演奏だったはず。そうだ思い出した。あと2曲のうちで最後に演奏したのがチャップリンの代表作モダンタイムズのテーマ曲「SMILE」だった。弟啓三が関学のFULLBANDにいたので、譜面を貸してくれたんだった。・・・思い出したぞ、そう私はサッカーの練習を終えて、ぎりぎりのタイミングで会場入りをした筈。そのためステージも3曲目からの登場となって、SMILEの美しいメロデイのSOLOをとるやら、歌うやら。今で言う美味しいところ独り占め。気持ち良かったなあ。まさに体育会系MUSCIANの面目を施した一瞬でした。
     
  Smile though your heart is aching
  Smile even though its breaking
 When there are clouds in the sky ,youll get by
 If you smile through your fear and sorrow
 Smile and maybe tomorrow
 Youll see the sun come shining through for you