山陽立地・つれづれDEEP

10年にわたって書き散らかした事々を、この際一か所にまとめた

グレンミラー物語②

img331.jpg映画から入った私にとって、グレンミラーのイメージはあくまでジエームス・スチュワートとなってしまう。物語上も、グレンの場合は、ソロプレーよりも、グレンミラーサウンドを創り出してゆくプロセスとストーリーを上手く組み合わせての進行となっています。それまでのBIGBANDは例えば、あくまでSWEETなメロデイー主体のロマンチックBANDか、伴奏に徹したDANCEBANDが主流で、BAND自体の演奏を聴かそうとする傾向はあまり見られなかった。そんな中、グレンはSAXパートのUISONにクラリネットのリードを重ねることで、とてもユニークなサウンドを創り出すことに成功する。後にグレンミラーサウンドとして一世風靡したわけです。映画のワンシーンで、あまりのサウンドの美しさにつられて、ダンスに興じていた人々が、ダンスの足を止めて、ステージの周りにあつまり、拍手喝采する場面は何度もても胸躍るものを感じます。音楽も受けて何ぼのせかいですから。
それと、この映画に惹かれる理由として、グレンを中心に登場する他のプレーヤーが当時の超BIGなNAMEの大物ばかりで、その連中が、実際にセッシヨンを繰り広げるから堪らない。たいがいが、その当時・禁酒法の時代、コーヒーカップで密造酒を飲ませるという非合法クラブでのセッションに現れるのが、ルイ・アームストロングジーン・クルーパー、ベン・ポラック、フランセス・ラングフオード等、錚々たる連中が腕を競う。グレンのトロンボーン演奏はジョー・ユークルの吹き替えだったらしいが、あとは「モノホン」。そんな眩しいような場面が繰広げられていた。これが、どうやら頭に刷り込まれていったらしい。20年も後に、DIXIELAND・JAZZに足(手ではありません)を染める際、かなりの助けになったと思い返しています。それにしても、主演女優・ジューンアリスンは僕の好みでなかったな。それとTRUNPETのハリー・ジェームスも顔を出していたように覚えているが、もしかしてベニー・グッドマン物語あるいは五つの銅貨の方だったかな。・・・だれか教えてくだされ。