山陽立地・つれづれDEEP

10年にわたって書き散らかした事々を、この際一か所にまとめた

米国大統領選挙前夜

あれは昭和38年(1963年)11月22日(金)米国現地時間12:30ケネディ大統領が暗殺されたとの臨時ニュースを聴いたのは、ラジオの深夜放送を聴いていたから、かなり遅い夜中。私の満22歳の誕生日のこと。
人生で心胆寒からしめるニュースに遭遇することなんぞ、めったに無いことで、おまけに自分の誕生日であったこともあって、忘れられない事件であります。ほんとニュースを聴いた途端に、「嘘やろー」と大声をあげてしまった。米国の歴史は大統領暗殺の歴史でもあることは、教科書上の史実としては知っていたが、まさか今の世にその凶行が繰り返されたことの恐ろしさ。米国に潜む闇の深さに身震いをいたしました。その後の膨大な報道・情報の大波の中から、オズワルド一人が真犯人ではないことに皆が気付いていながら、そのことを口にしない米国の社会土壌の奇妙さを察知したことでした。
 さて、操り人形の如きブッシュ大統領は、武器弾薬の在庫一掃セールのセールスマンのごとくイラク戦争を起こし、開戦に際しては絶大な国民の支持を得たように感じたのは事実であります。しかしたぶんあれもご多分に洩れず巧妙なメディア操作の作りだした幻想だったのかもしれない。唯一救いとおもうのは、今や厭戦の声がホウハイと沸き起こっていることです。
 私達世代にとって、ルーズベルトトルーマンアイゼンハワーの3代の大統領の印象は、強権の裡に第二次世界大戦終結させた強大な権力に裏打ちされた確固たるイメージがあったものですが、オバマ・マケインの選挙運動をかくも長々と見せつけられてみると、米国の、いや世界の命運を握る大統領選が結局は大衆をヒートアップさせ、あたかもハメルーンの笛に踊らされるように、表面上の人気取りスローガンに引きずられて投票に走るような印象が残る。
 たぶんオバマが大差で勝利する予感。がしかし、当選の瞬間からまたも忌まわしい暗殺の魔手にかかる懸念が湧いてくるのを止めようがありません。
 一方、この国で繰りひろげられている、「ひとごと・おてもり・先送り」の全く賢さを感じさせない政治の馬鹿馬鹿しさと相まって、まったく世界はお先真っ暗。孫曾孫に借金を押し付けて、自己保身のみを図るような人物ばかりを生みだしたこの60年は一体何だったんですか。いちどご破算にして、心構えはあの焼け跡の時代に舞い戻るべきではありませんか。