山陽立地・つれづれDEEP

10年にわたって書き散らかした事々を、この際一か所にまとめた

クラブてんやわんや②恐喝事件

世間知らずか、向こう見ずかよく分からないけれど、ヤーサンの凌ぎ場の雀荘に押し掛けて集金を迫った。
虎の尻尾を踏んじゃった。ほっておけば借金が有るわけだから、寄りつかないのに、因縁を付けるいい口実を与えに行ったようなもんだ。やがて若衆が使い走りで、兄貴が呼んでると伝えてきた。近くの喫茶店で待っているという。仕方なく出かけてみると、恥をかかせた落し前をどうつけるんだと散々脅し挙げられた。
その時はじめて分かったんだけど、私は割とそんな修羅場に強かった。相手はヤクザ屋さんだから、決して人前では暴力を振るわない。手は出さないことは分かっている。とすれば話はお金だ。一体どうしてくれるんだとは、お前さん一体幾ら払ってくれるのとの謎かけだ。
4人ほどを相手に、交渉と言うよりは喝揚げ、恐喝を絵にかいたような小一時間。やっと30万持ってこいとなった。それに対し、我が方の要求は、今後決して店に寄り付かないと一筆入れろという条件だ。
まさか、ああもあっさり吞むとはおもわなかった。よほど金に困った上でのことだろう。翌日だったか、お金と一緒に誓約書を持参して、4人に自署のうえ拇印まで押させちゃった。
言い忘れていたけれど、弘子ちゃんの親父さんは県警たたき上げの鬼刑事。専ら強行犯ばかりを扱ってきたベテラン。その部下にY組専門の前田貢警部がいて、この人が私の従姉妹の旦那と尾上の航空特攻隊での同期生。そんな関係から、この脅しがあった初めから相談を掛けて、その指図どうりに動いたまで。
自署・捺印の立派な証明書附きの恐喝はたちまち立件されちゃった。
全国紙にでかでか報道されて、NHKのニュースにまで流れた。あちこちから、無事でよかったとのお見舞いの電話が入る。
しかし、逮捕されてそれで御終いと、ことはそんなに簡単に収まるとも思えない。・・・さてどうなることか。