山陽立地・つれづれDEEP

10年にわたって書き散らかした事々を、この際一か所にまとめた

ダイエー屋上ビアガーデン⑥人生の岐路

ここんところ、BGの話が続きます。22年にわたる古い売上一覧表が出てきたり、いざ手術となって、自分の人生のターニングポイントは一体何で、何時ごろのことか確かめておきたい気持ちからであります。
BGも2年目になりますと、まずビール会社サントリーの態度が一変。400席分の椅子・テーブルを新調してくれました。なにしろ、サントリーの生ビールを置いているBGなど探してもない頃。季節商売とは言え、このBGの初年度のビール消費量はよほど魅力だったんでしょう。期間中山ほど割れるジョッキの補充も無償。ほんとお世話になりました。おまけに、4年目くらいにサントリーの担当が変わって入社したての若手がやってきて、出身を聴くと、神戸大学サッカー部主将でしたと胸を張る。これは不思議な御縁だという訳で、ますます無理を押し付けた。
一方、アトラクションを何か面白いのはないかと探すうち、東京は浅草から駆け落ちしてきたカップルの女性が、GOGOの名手だとの売り込みがありました。そういえば、三宮、そごう屋上の隣、三菱信託が入っているビルのBGははでなGOGOが売りで、かなり好評をはくしているらしい。
早速、舞台両端で2人は躍らせる約束で、出演をOK.少々ギャラも張り込んだ。
御本人は、もう熟れ盛りのボインを持て余すようなグラマー美人。そして相方に連れて来たのが、神戸学院の2年生の女学生。この子がまったく対照的で楚々としてGOGOを踊るようには決して見えないんだ。
この二人が組んで、牛乳やロックバンドの演奏に合わせて、舞台で踊り始めると、会場ヤンヤの喝采。これが評判を呼んで、いっそう客が増える。
ある日、殺到するビールの注文(すでにビール注ぎは名人の領域)を捌いていると、会場がなにやらざわめきだしたかと思うと、ウオーというドヨメキに変わった。なにが起こったのかと確かめようとしたとき、バイトの一人が「マスターチチが出ました」と叫んだ。なにのチチやら解らぬまま、舞台に近づくと、女学生のほうが胸をかばうようにして舞台にうずくまっている。みれば、いつもの水着とは違う、ブルーの真新しい水着を着こんでいた。
ベテランGOGOに近づくと、「御免なさい、この子新しい水着のショルダーが抜けて、オッパイが片方丸出しになってたのに気づかず当分踊っていたみたい。」と耳元で囁く。聞けばそれはそれは中ぶりの美しいオッパイだったとか。やはり予想どうりのオッパイだったんだ。もう一度俺にも見せてくれとは言えず、内心残念を噛みしめる。
成る程、ざわめきがドヨメキに変わるほどかなりの時間、気づかずに踊ってしまったんだ。・・お客の喜ぶまいことか。
それが証拠に、翌日市役所の顔見知りの中年親父がいつもより大人数でやってきている。
その一人が近づいてくるなり「マスター今日はチチいつ出るの。」と聞いてきた。・・・馬鹿野郎。