山陽立地・つれづれDEEP

10年にわたって書き散らかした事々を、この際一か所にまとめた

中山英二トリオLIVE IN 青空堂

 青空堂は大久保駅南メインストリートの東沿い。ローソンのすぐ隣。前にもメイトファミリーの周年パーテイーで訪れたことがあるが、その時はこの名前ではなかったはず。
その時も感じた余裕ある店内の設えと雰囲気はとてもじゃないが道楽商売に徹していないと出せない領域だ。
開演7時に併せて店に入った。驚いたことにかぶりつき席に津野様2人と大書した張り紙がぶら下がっていた。
えらい歓迎を受けたような気分でなおピアノの近くを選んで陣取った。
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会場は10余人客入りで、元客商売人としては気をもむところだが、演奏が始まると直ぐその事は気にもならなくなった。
実は中山英二WHOの白紙状態で臨んだ上は、なんの先入観も予備知識にも邪魔されず純粋に演奏その物を楽しまないと。
1部ではなんとビートのあるべースなんだとの印象。なおかつ尖がった音質。
ただブットイだけなら、20年前ボサリオのライブで聞いた西山ベースが印象深いが、明瞭な音感に加えて超絶の指使いでベースとは思えないランニングを聞かせる。
瀬戸君曰くまるでベースが2本有るようでしょうと。しかしこの表現は私が2部で感じた印象とは違った。
2部の冒頭だったかラベル作曲「亡き王女のためのパバーヌ」との演奏曲紹介が有って座り直した。
JAZZライブで聞く意外な曲名に、これは瀬戸君の仕業ならんと居住まいを正したわけだ。
この曲ではっきりとフルートを加えた意味が分かった。べースの対極としてのフルートの役割。
テーマを美しく吹くことで役目を終えることなく、嫋嫋たる風情の内に妖艶なメロをを紡いでゆく。
そして、中山ベースの本領がここにきて発揮される。
アルコでのメロディーも痺れたが、メロ弾きの一音一音が艶やかに響いている。
私としては忙しげな音列よりも、ベースでこの澄んだ響き・余韻が出せるんだと言う驚きが心に浸みいる。
なにしろベースをギターのように弾きこなすとでもいった方が分かり易いかな。
時にはアランフェス風を感じさせ、ビートルズをお遊びに織り込む。
だが、一番の聞きどころは、リフレッシュ・いにしえと続く曲及びアンコール曲の輪(りん)などのオリジナル曲のメロディーラインに有ったじゃないかな。中山英二は恐ろしいほどピュアーなメロディーを創る。
その中山英二が瀬戸敬二のピアノになにを求めているのかがこれも興味を引くところ。
実際は瀬戸君が生真面目な演奏に終始して、べースとの掛け合い・遊びを感じさせる場面が無かったんじゃあないかな。
あるいは弾き過ぎて、熱くなりすぎて、リズムは刻めてもビートが弱い。もしかして中山氏の要求がそのようであったかも知れませんが。
とまあ見当違いを長々述べてみましたが、こんなに上質なライブを独り占めして聞けた至福が為せる技とお許しあれ。かくしてお約束のアリバイ写真をパチリ。
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