山陽立地・つれづれDEEP

10年にわたって書き散らかした事々を、この際一か所にまとめた

益税の不思議

 消費税が始まってさて何年になるんだろうと思って少し調べてみた。
結果、1978年(昭和53年)第一次大平内閣時に、一般消費税導入案が浮上したが、総選挙で国民の全否定を受けて撤回。それ以来、第三次中曽根内閣時に、売上税構想を経て、1988年竹下内閣時に、消費税法が成立。
1989年(平成元年)4月1日 消費税施行 税率 3% となった。
1997年(平成9年)4月1日からは村山内閣で内定していた地方消費税の導入と消費税等の税率引き上げが行われて、 4%ー地方税を併せて 5% となった。
私自身自営業者で、消費税課税業者である。
この消費税課税業者の段階で、当初免税点が売上3000万円とされていた。
平成15年になって之が1000万とされたが、なお1000万以下の売り上げとなった翌年は売り上げ高に関係なく消費税申告そのものが免除される。単純に考えても、免税業者だから消費税は課税しませんと言って実際課税することなく物・サービスを売っている業者にお目にかかったことはありません。
実際、1000万までの売り上げであれば、最大50万が益税として手許に残る。
また消費税課税に関する手数料的な意味か、ほぼ徴収?預かり?分の半分程度を納税することになる。
ここに歴史上はじめての益税が誕生した。
太平洋戦争戦費捻出のために設けられたサラリーマン対象の源泉税徴収は、その名の通り、まるで湧きでてくる泉の如き確実に所得の100パーセント把握を実現した究極の徴税システムとなった。
不思議なことに、戦時立法だったはずの、勤人に過酷なこの税制は、敗戦後も撤廃されるどころか、主要な税源として温存された。おまけに、その事に抗議する日本人も居なかったに等しい。
最近の国民的関心は消費税率引き上げにあると言っていいが、今の益税制を撤廃し、課税業者は源泉税と同じくその預かり税全額を納税するようにすれば、なにもこれ以上に税率を上げる必要は全くありません。
そして、この事に言及する学者・政治家も皆無。 何故なんだろう。
ちなみに、平成21年現在、導入以来の消費税累計は213兆円で、同期間の法人3法(法人税・法人市民税・法人事業税)は累計182兆円減となっている。
これでは、何のことは無い企業・法人に甘く、取り易い国民の懐に手を突っ込んだに過ぎない。