山陽立地・つれづれDEEP

10年にわたって書き散らかした事々を、この際一か所にまとめた

原発が生む使用済核燃料の行方

福島原発の炉心冷却に垂れ流された大量の海水の除染をフランスのアルバ社が請け負うらしい。
サルコジ大統領が来日してのトップセールの霊験新たか。米国は出遅れたと言う事か。
ところで、アルバ社の女性社長が示す自信満々の表情に我々は騙されてはいけない。
実際、このアルバ社を代表するフランスの原子力産業。というより除染など初歩的な技術以上に、使用済み核燃料の再処理を一手に引き受けているフランスの実態を知れば、本当にアルバ社に任せて良いのかと疑いたくなる。

これもNHKBSの番組の受け売りだが、フランスはヨーロッパの原発(ドイツは除く)から出る使用済み核燃料の再処理を一手に引き受け、MOX燃料として処理を請け負った国に戻している。この中には勿論日本も入っている。
ここで先ず許されないのはフランス ラ・ア―グ処理場では保管所から出て来る汚染廃液を陸上から海底を這わせて外洋にまで敷設されたパイプを用いて毎日400立米廃棄している。現在、そのような汚染物を海上投棄する事は国際法で禁止されているが、陸上からの放棄はその禁止対象とはならないという理屈で堂々と行われている。この放射性汚染に対する、実は誠に希薄な倫理感覚。果たしてこの様な危険極まりない使用済み核燃料の再処理等行える資格が有るのか疑う。
次に問題なのは、フランスがこの再処理を行っている訳ではないと言う事。集められた使用済み核燃料はラ・ア―グから8000K離れたロシアのセベルスクにあるトムスク7に運ばれて再処理される。なお再処理でMOXとして戻される燃料は持ち込まれた量の10%と云われている。
残りの最終廃棄物はなんとトムスクの原野にウラン貯蔵コンテナーと称する容器に入れられ露天露地置きされて放置されているに等しい状態が確認されている。
フランス国内には危険な放射能廃棄物は全く残らない仕組みになっている。
これ程、巧みに自国の危険負担を回避し、なお儲けの殆どを我がものにして恥じない腐りきった国に助けを求めるしかないこの国の先はもう既に見えている。