山陽立地・つれづれDEEP

10年にわたって書き散らかした事々を、この際一か所にまとめた

中山英二 WE THREE

久方ぶりの名ベーシスト中山英二トリオのツアー演奏会を聴いた。
べースがメインのバンドは今までほとんどその存在を知らない。それほど、ベースはいわば地味な楽器とされてきた。
その地味な存在を一躍ポピュラーにし、脚光を浴びさせたのがロン・カーターと言えば言いすぎか。
サントリーのCMに登場したロンは、信じられないほど音の際立った、驚くほどの余韻と響きのある音色を奏でた。かなりサウンドのエフェクト加工が有ったにせよ、それまでのベースのイメージを一新した。
それ以来、伴奏に徹することを嫌って、やけに遊ぶベースが数多登場して、かなり勘違い、場違いなことになったりして。
その中で、中山英二は本物中の本物として登場。圧倒的な音量と、激しい演奏ぶりで聞くものを魅了する。いやぶちのめす。
たぶん聴く側の好みは真っ二つに割れていることだろう。しかし、一旦この世界に引っ張り込まれると、そのサウンドとビートと低音域に広がる倍音に身をゆだねて飽くことがない。
そう、このベースだけは生で聴いて何ぼの世界だ。
迎える瀬戸啓二も随分と腕を上げたが、御大にかかると、冷や汗三斗、いい勉強をさせて貰ってる状態。
 
英二オリジナル  ETERNITY IN THE MOMENT 今もこの曲が耳について離れない。訥々としたピチカートが魂に染み入るようだ。知らぬうちに口笛で旋律を謎っている。
中山ベースの本質は大和心。真性のロマンチスト。ジャパネスクであります。