山陽立地・つれづれDEEP

10年にわたって書き散らかした事々を、この際一か所にまとめた

サッカー命の日々⑫気違いに刃物・Nに笛

良き先輩・同輩に恵まれてのサッカー暮らし。授業はサボっても、午後からの練習には必ず参加。帰宅部の学生が高丸の坂を下る頃、ボツボツ商大下でバスに乗り込む。着替えももどかしくグランドに飛び出す。この気持ちはラッパの練習時にも感じることから自らを体育会系ミュージシャンと名乗ることに決めました。しかしその平穏無事もOB来襲となれば一変、グランドはシゴキの修羅場となりかねない。練習試合でも勝ち方がまずいと、見物に来ているOBから、その場で徹底的に走らされる。ラスト一本が何十回。それが嫌さに試合では形相を変えての奮闘となる。それでも朝日招待サッカーで早稲田に勝利したという伝説の学部1回から4回のOB.その代表として、今もお世話になっている終身ヘッドコーチ・殿村和祥氏、終身名誉会長・木下健氏両先輩の特訓は、十分に我々の能力の限界を察知して、もう一段上のレベルのプレーを要求されると言う名人芸を発揮される。始末に負えないのは、実名を出すのもはばかられるN氏がおいでになった時。細い体でニヒルな笑顔。一応の練習後、グランドに横一列となった我々に、DASH・TURNの笛を吹き続ける。これが延々と繰り返えし。なにが判断基準なのか、しきりにまだまだと大声で両の手を広げる。どうやら横一列のラインを乱さず走りきれと言うことらしい。
そのうちヘバッてラインどころでなくなると、各人DASHとなって、早いものから「あがれ」の声がかかる。幸い要領よくアピールする者はいいが、着いて行くだけで精一杯の者になお容赦のない笛が吹かれる。ほんと無茶苦茶ですわ。・・・これを称して「気違いに刃物、Nに笛」とは言い得て妙なり。