山陽立地・つれづれDEEP

10年にわたって書き散らかした事々を、この際一か所にまとめた

丸山ワクチン

腹膜に広がっている癌細胞が動き出せばがん性腹膜炎を起こし、腹水がどんどん溜まることになる。
当時、癌患者を抱える家族の最後の頼みはいわゆる丸山ワクチンではなかったか。
肺病患者に癌が発生しないことに気がついた丸山ドクターが編み出したワクチン療法であります。
これの難点は、有効な患者とまるで効かない患者とはっきり効果がわかれること。症例報告では、著しく改善されたものもあると喧伝されれば、もしかして我が親にもとすがるのは人情です。
昭和58年8月15日のワクチン問い合わせのメモが残っています。18日に東京都文京区千駄ヶ谷日本医科大学附属病院皮膚科を尋ねることになる。
8月26日の院長回診で明日退院して宜しいとの許可が出た。その時の親父の嬉しそうな顔と言ったら。
この一年見たこともない良い笑顔を見せた。
もちろん、丸山ワクチンを打つことは、本人には知らせられない。術後、コバルト照射が無かったことから、どうやら胃がんではなかったらしいと母に漏らしていた。
そこで、退院後、もとの松浦内科に戻り、そこで栄養剤とか何とか言って丸山ワクチンをうってもらうことになった。
それでもえらいもので、術後体は本来の自然治癒力を発揮して、めきめき元気になってゆく。食欲も出てきて
医院の帰りに少し歩いてみたりする。
このままの状態が続いてくれればいいんだが。気休めの丸山ワクチンが効いているようには思えない。
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