山陽立地・つれづれDEEP

10年にわたって書き散らかした事々を、この際一か所にまとめた

ベガスとグランドキャニオン・あわやのセスナ

LAから一っ飛び、砂漠のど真ん中、ラスベガスへ降り立つ。空港に着いた途端から、スロットルが並んでいる。観光客がかじりついている。その賑やかなこと。それもお年寄りを多く見かけた。
日本でいえば熱海の駅に着いた途端からパチンコ・スロットルが出迎えてくれるような情景だ。
その夜の宿は、今思えばスフインクスとピラミッドで有名な、かのホテル・ルクソールだったんだ。
なにしろ、フロントから部屋に行く道中の長かったこと。いったいどれぐらい広いんだか。その道中にありとあらゆる博打場・ゲーム機が並んでいる。お約束の妖艶美形のお姉さまがバニースタイルでたばこを売り歩いテイる。スロットルを試みてみるに、すぐにコインは無くなった。それではということで、何処だったかそっくりさんショーを見物に行く。プレスリーやらモンローやらシナトラらしきものまで、入れ替わり立ち替わりの登場。しかし感心したのは、おミュージックだけはモノホン(本物)だった。
翌日グランドキャニオンへはセスナで。飛行場にはずらりとキャニオン行きのセスナが並んでおりました。
そのうちの一機に乗り込む。パイロットはサングラスが良く似合うナイスガイ。8人だったと思う人数で満席となった。
離陸してしばらくは、不安定な乗り心地と、プロペラの騒音に驚きながらも、眼下に広がる砂漠が段々とあのグランドキャニオン風の景観に変わってゆくのに見とれていた。おまけに同時に飛び立ったセスナと競争さえ始めた。ところが、行程の半分が済んだ頃、一天にわかにかき曇り、大粒の雨が風防ガラスを激しく叩き始めた。
と同時に、乱気流が起こったのかセスナは大きく翼を上下させる。あっと言うまに、急降下に移り眼下の渓谷を流れる川面がはっきりと見える高度まで降下する。こうなれば親子三人顔を見合せて座席にしがみついているしかありません。
吐きそうになるのをこらえてやっとキャニオンの飛行場に着陸した。
出迎えたガイドが大声で叫ぶのが聞こえる。「皆様素敵な昼食バイキングを用意しております。」
誰一人として食事に向かう人はおりません。
帰りはセスナは嫌だと、ほかの方法を聞いてはみたが、バスに乗ってベガスまで半日はかかるとか。
仕方なく帰路もセスナとなったが、先ほどの嵐は嘘のような快晴となり、十分グランドキャニオンの峡谷を楽しむことができました。
後日、といっても、我々が飛んだ一週間後ぐらいに、JTBのツアー調査団一行6人を乗せたセスナが墜落、
乗務員とも全員死亡との事件が起こった。・・・ベロベロセブン危機一髪
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