山陽立地・つれづれDEEP

10年にわたって書き散らかした事々を、この際一か所にまとめた

神戸港沖問題

 開港150年まじかな神戸。その神戸が空港開港で過去大きな過ちを犯したことを人々は忘れていないか。
県商七星会主宰の小森豊氏のブログによれば、新国際空港建設候補地として神戸沖が最有力視され、その事があって、新幹線新神戸駅ひかり号停車も実現したという裏話が明かされている。
まさに関西に国際空港開港の前夜、現在の関西国際空港に決定に優先して、神戸沖国際空港が誕生寸前にまで漕ぎつけていた事実。
JAL問題をきっかけに、神戸地方空港の先行きが取りざたされているが、また日に2便の茨城空港が冷やかな関心の的になっているが、少なくとも神戸国際空港がこの時実現しておれば、現在の伊丹・神戸・関空問題は起こるはずもなかったし、右肩下がりの神戸港・神戸の貿易衰退を招くことも無かった。
何が言いたいかと言うと、これまで国家的見地に立って物事を判断したとされる大事業の中でも、この神戸沖国際空港から関空に立地が変更決定された事業ほど、その結果が間違っていたことが明白になった事業を知らないからであります。
当時小森氏は「神戸沖に公害の無い国際空港をつくる会」の代表として運輸大臣に陳情を重ねておられたそうで、感触としてほぼ決定の手ごたえを感じ取って居られた。ところが、時の宮崎市長が、それまでの誘致賛成から、市長選に出るにあたって与党自民党では選挙に勝てないと判断、革新へ転向する上で、空港反対が絶対条件とされ、なりふり構わず新空港反対を表明した。
ために神戸沖国際空港は実現直前で瓦解するに至った。
その上、その失敗の上塗りに、採算無視の神戸地方空港を強行開港し、株式会社神戸市の命運ここに極まっている。
この一連の顛末に対して公的な場での評価・反省を耳にすることは絶えて無い。
この一事による国家的国民的損失はいかばかりか。大罪万死に値する。
しかし、いつものように誰もこの事を振りかえり学習追及しようともしないし、当事者はほっかぶりして、知らぬ顔の半兵衛を決め込んで恥じない。
民意とかいう情報操作が造りだした幻影に振り回されての決定がどれ程罷り通っていることか。
数え上げるだに、背筋がゾッとしませんか。
その累積が国を危うくしている。大事小事の冷徹な判断が求められる。厳しい仕訳能力欠如も甚だしい。
なにしろ、卑近な己の利益誘導前提であれば、そんな能力が有ったところで、それが援用されることなど、満に一つもあり得ない。
ついでに明石海峡大橋建設中、ゼネコンの大橋担当者は、建設方の偉いさん接待に毎晩忙殺されたとか。
それも、地元神戸では顔が刺すとて、大阪・京都まで足を伸ばしての連日連夜だったとさ。