山陽立地・つれづれDEEP

10年にわたって書き散らかした事々を、この際一か所にまとめた

七生報国 たが為の謂ならむ

 楠木正成七生報国(ひちせいほうこく)はどうやら誤って解釈されているのではないのかな。
後醍醐天皇への意見具申を無視され、その上生還の叶わぬ湊川への進軍を命じられた際、評定の間の壁に右手の指を食い破り血書した「七生報国」の後に「たが為の謂ならむ」と続く。
七度生まれ変わって国のために尽くしたいと願うのは、天下のためであって主上お一人のためではない。その事を分別して、王道に戻ってもらいたいという願いを込めた諫言だ。
菊水(掬水)の印、非理法権天の幟をたて、回天を目指して特攻に散った若者の胸中にあったのは、父母家族の暮らす山河を守らんが為であった筈。
浅沼稲次郎を刺した山口二矢(おとや)も七生報国と遺書して首を吊った。