クリスマスイブに余り良い思い出はありません。親父の最後のイブに孫達を集めて、独りお別れをしていた姿が今も眼に浮かぶ。それ以来、イブが苦手になった。そして一番貧乏をしていたイブの事は未だに思い出して悲しくなる。もう１０年以上まえのこと、懐貧しい中、何とかイブらしい食事をと考えて、稲美町のケーキ屋さんでショートケーキを二切れ買い込んで、加古川の街をうろうろ。行きつけのお店もあるはずもなく、うらぶれた店に飛び込んで店名を見上げて驚いた。鳥道場との薄汚れた看板がぶら下がり、酒道場とは関係在るんだろうかなどボヤキながら、干からびた手羽先に齧りついた。
そんなことを思い出しながら今夜は新聞で見かけた生野のルミナリエへ行こうかとなった。お目当てのイルミネーションは当初の予想を遥かに下回るショボナリエ。写真に残す気にもならない。仕方なく３１２号を和田山へ向かった。和田山なら少しは賑やかでお店もあるだろう。
結局はパオパオ交差点の海舟丸という回転すし（１００円寿司じゃあありません。）に飛び込んで一息つくことが出来ました。生野峠では０度で、予想では今夜は雪とのこと。海舟丸に入る直前、なんと雪が舞いだした。すかさず二人でホワイトクリスマスを合唱する。お店で雪が降ってるよと告げると板さんが、今年最初の雪だねえと呟いた。
