山陽立地・つれづれDEEP

10年にわたって書き散らかした事々を、この際一か所にまとめた

佐渡裕のベートーベン・第五運命を聞いた。



その昔、へたくそな関響を聞くにも大阪まで足を運ぶ必要があった。今さらながら、この明石でオーケストラが聞けるとは。それも佐渡裕指揮。
会場は超満員、あまりお目に掛れない賑やかさ。券を買ったとき残りわずかと聞いた。それほど人気のある公演で、知らなかったのは私ぐらいか。
20代の頃、大阪で聞いたオーケストラは、ピエール・モント―指揮ロンドン交響楽団ブラームスとザバリッシュ指揮N響ワーグナーを思い出した。
今回のプログラムは見ての通り、超有名曲を並べた、オーケストラ入門編。会場には先生に引率された中学生の姿が多数。ほんと良いことです。
チェロの魅力的な音色に聞き惚れ、弦の奥深いハーモニーに心安らぐ。しかし、常日頃吹奏楽を聴き練れているせいか、ステージからの音の出が悪いように感じる。オケ仕様の反響になっているんだろうか。
そんな思いも、運命が始まると吹き飛んでしまった。今時、5番をじっくり聞く機会など有りませんでした。
高校一年生の時、全日本吹奏楽コンクール出場で、自由曲がベートーベンの交響曲第一番第3楽章を死ぬほど練習した覚えがあるが、聞き入って行くうちに、身体に汗が滲んでくるのを感じた。
そう、身体が知らず熱くなっている。佐渡裕の指揮ぶりは非常にあっさりしていて、最初の音出しの素早いこと。
各パートを思いぞんぶん歌わして、なおバランスは崩さない。何気なく見えながらポイントは確り抑えた温かい指揮ぶり。
曲終わりに思わずスタンデイングオベーション。しかも会場で私ただ一人。