山陽立地・つれづれDEEP

10年にわたって書き散らかした事々を、この際一か所にまとめた

シャープ真っ裸

企業の栄枯盛衰多々見て来たけど、今回のシャープの凋落ぶりは一際目立つ。
今まで、もっとも収益を上げてきた分野での惨敗撤退、土地を売り工場を売っても明けた大穴の借金は埋まりそうに有りません。
アクオス亀山モデルに端を発して、堺では超大型パネル工場に1兆円をつぎ込む。途端にパネル価格暴落で、作れば作るほど赤字が増える。現在操業率30%。
鴻海電子との提携話も株価暴落のため大きく内容が変更されている。
1912年早川徳次が立ち上げたアイデア会社、シャープペンシルの名前に刻まれた誇りも完全に色あせた。
今や危急存亡を通り越している。まるで沖縄戦特攻の戦艦大和の最後を見ているようだ。

PS 8495社 420万人の運命 (ゲンダイ記事転載)
 株価で追い詰められ、なりふりかまわぬリストラを強いられているシャープは、吉永小百合の起用で評判になった「AQUOS」のCMも近く、打ち切る方向だという。
売れるものは何でも売り、切り詰められるものは何でもカット、という感じだが、それでも今後は厳しい。
 株価の下落で台湾企業、鴻海からの資本調達は、当初の見込みの669億円から二百数十億円に大幅減。
その分を追加リストラや主力銀行からの追加融資でしのごうとしているが、外資が「今が儲け時」とばかりにどんどん、空売りを仕掛けているからだ。
 ゴールドマン・サックスモルガン・スタンレードイツ銀行などが空売りを膨らませていて、もちろん、その背景には外資系ファンドがいるとみられている。
一時、38年ぶりに170円を割った株価が、追加のリストラ策が報じられてどうなるかが注目されるが、市場の見方は悲観的だ。
「リストラで戦線を縮小しても、売り上げが上がるわけではない。ホワイトナイトが出てくる展開でもないので、今後も空売りを止める手立ては見当たりません。
日本の金融危機の際、みずほ銀やUFJ銀が徹底的に売り込まれたことを思い出します」(東海東京証券チーフエコノミスト・斎藤満氏)
 株価がさらに下がるような事態になれば、市場に追加のリストラ策を迫られる。そんな中、東京商工リサーチは今月17日、シャープの「国内取引状況」の緊急リポートを出した。これを見るとゾッとするのだ。
 シャープ本体と国内連結子会社13社の直接仕入れ先は2031社もある。2次仕入れ先は6464社。1、2次合わせた総従業員数は420万人にもなるのだ。東京商工リサーチ情報本部長の友田信男氏が言う。
「私も420万人という数字が出てきたときにケタが違うのではないか、と驚きました。それくらいシャープの行く末は日本経済に影響があるということです。
仕入れ先を見ていくと、北海道から沖縄まで広がっていました。1次仕入れ先では従業員50人未満の中小企業が全体の6割を占めていた。地方では工場が閉鎖になった場合、すぐに別の就職口が見つかるわけではない。
中小企業の多くは、シャープだけが取引先ではないにせよ、依存率は低くないでしょう。特に近畿圏はシャープの影響力が強いだけに、今後のリストラの行方次第では、日本の雇用にも重大影響が出てきます」
 仕入れ先は製造業だけでなく、情報通信、サービス、運輸業と多岐にわたる。
グローバル化の逆流は恐ろしい。市場規模が拡大すればするほど、需要に合わせた設備投資が必要になるが、それが逆転すると、すべてがお荷物になってしまう。
そこに外資の買い叩きが入り、翻弄されているのがシャープですが、これは他の製造業にも共通するリスクです」(経済ジャーナリスト・有森隆氏)
 シャープに「もしも」のことがあれば、その衝撃は計り知れないものになる。