山陽立地・つれづれDEEP

10年にわたって書き散らかした事々を、この際一か所にまとめた

世情騒然・経済災害の様相

大企業の派遣社員切りが続々報じられる。天下のトヨタは何十兆円かの内部保留を有しながらこの仕業。
歴史上、関ヶ原で西軍の大将として敗戦の責めを負った毛利は三分の一にまで縮小した領地に家臣の殆どが流れ込み、それまでの知行を削りに削って、歯を食いしばって耐えに耐えた。
大政奉還して駿河一国のみとなった徳川家にも旗本一族が大挙押し寄せ、知行にありつけぬものは、帰農してもなお駿河を去ろうとはしなかった。戊辰戦争に敗れた会津藩はわずか3万石、実石7千の辺境の斗南藩に4700余名の藩士とその家族計1万7千人余りが入植。
殿様に頼るしか道がなかった武士階級のみじめな姿と見るか、領米を分け合って命を繋いだと見るか、意見の分かれるところだろうが、附いてくるくる家臣を見捨てる姿はなかったようだ。
そんな貧困の中で子弟の教育に努め、後の明治の世に多数の人材を送り出している。
そんな大和の国で、いま大企業の職場では正規社員と派遣社員の厳しい階級別け、まるで土佐の上士と下士郷士)の再現とも思える情勢となり果てた。となれば、歴史の事実が証明しているように、これ以後、この階級間の激烈な闘争が巻き起こることは必定。
首切りを宣告された派遣社員が、その企業のみを相手取って騒ぎ立てているに過ぎないと楽観してはならない。必ずや複数の、あるいは全国の派遣社員階層が結束、大波となって深刻な労働争議へと変化していくことは自明です。規制緩和の流れにのみ込まれた犠牲者の多くは、襤褸の筵旗を押し立てて国会を取り囲むことになるでしょう。
正に経済災害と言えるこの年末・年始、急遽街に救世軍が行ったような炊き出しとテント村を何故政府は用意しようとしないのか。麻生政権が浮上する唯一の道は、この緊急経済震災援助法の発令でしょうに。