陽明門前の写真スポットで淋しげな写真屋さんに出会う。記念写真の雛壇が設えてあり、ほとんどの人がそのあたりで自撮りしている。
我が家もここはプロに頼んで集合写真を遺そうかとなって声を掛ける。
一枚しか買わないんだけど良いかなと聞くと、相好を崩して有難うございます、結構でございますとの返事だ。
やはりキッチリとした写真もここでは必要と思い商売はどうですかと聞いてみる。
親父さんは元気なく、実は今月いっぱいで辞めるんですと小声で呟く。昭和の初めから延々と続けてきた商売ながら、特に震災以後は観光客も少なくて、おまけに近頃は一枚買ってスキャンして配るらしく売り上げが少なすぎるとのことだ。
時間が有れば、もっとハイテクを駆使して、参拝の帰りには人数枚渡せるようにすれば繁盛間違いなしと教えてもやれたんだけど。
六本木ヒルズの記念写真屋さんの繁盛ぶりを知っているんだけど。
