山陽立地・つれづれDEEP

10年にわたって書き散らかした事々を、この際一か所にまとめた

神戸市内タクシー会社連鎖倒産14社・昔の融通手形と同じか

その昔、いや今もあるに違いない融通手形。お互い実績が上がらず資金ショート寸前の会社同士が取引もないのに双方宛の融通手形を乱発して、結果後に倒産した会社が融通額の2倍の負債を背負ってこれまた倒産。
こんなことが巷では日常茶飯事の頃がありました。
これとさも同じようなことが年金を巡って起こっているらしい。
日の出タクシー(神戸市兵庫区)が昨年11月末に事業を停止し、破産申請準備に入ったことが分かった(神戸新聞報道)。
東京商工リサーチによれば負債額は数億円にのぼる見通し。
同社は1955年設立、98年3月期には売上高は4.4億円あったが、競争激化に加えタクシー会社で作っていた「兵庫県乗用自動車厚生年金基金 」の解散に伴う積立不足の弁済負担も重なり資金繰りが悪化していた。同基金の解散に起因する企業倒産は同社で14社目。
兵庫県乗用自動車厚生年金基金が解散したのは、2006(平成18)年1月。その時点では加入事業所50社のうち、29社が解散時不足金を10年分割で支払うことで特例解散を実施した。
29社の負担総額は約47億円(1社あたり平均1.6億円)だった。
この解散時不足金の分割払いは、積立不足を抱える基金の解散をしやくするために、2005(平成17)年度から3年間の時限付で厚労省が取り入れた制度だった。
ただし、連帯保証条件が付いていて、分割払いを選択した企業が何らかの事情で支払不能に陥いり、その結果、未納が発生した場合には、分割払いを選択した他の事業所の負担となるとされていた。
29社中の最初の倒産が起きたのは解散翌年の2007(平成19)年8月、三宮自動車交通(神戸市長田区)だった。
三宮自動車交通の未納分約1.8億円(推定)は、残った28社の負担になったわけだ。さらに同年末には、講和交通(神戸市兵庫区)が倒産。同社も三和交通とほぼ同規模だったが、これが連鎖倒産の幕開けだった。
当時、“年金倒産 連鎖の影”と報道された(朝日新聞2007年10月14日)心配は、現実のものとなっていた。
2010(平成22)年11月に破産した神戸自動車交通も年商約3億円の企業だったが、破産時の負債総額は約1億8300万円、うち、基金関連負債が1億8000万円だった。
基金解散から4年が経過しても、負債額はほとんど減ってはいなかった。
「返しても返しても負担が増えた。会社をたたむしかなかった。」というサラ金地獄の被害者のような元社長のコメントも報道された(読売新聞大阪版)

実際、本業は結構忙しくて、従業員の運ちゃん連は実感が湧かないらしい。
特に、神戸のタクシー業界はゴッドファーザー永田が確か神戸タクシーを国際興業に3億で売却した際、なんと現金での受け渡しとなり、当時まだ万札が無かった頃、ジュラルミンのカバンに詰め込まれた現金を、立ち会った親父たちが数えるのに苦労した話を聞いていて、兵庫日産の息のかかったタクシーはG永田の子分のようなもので、このニュースに出てくるタクシー会社の親父さんたちの顔が今でも目に浮かぶ。