山陽立地・つれづれDEEP

10年にわたって書き散らかした事々を、この際一か所にまとめた

初めての不動産仲介

2号線に面して、ダイエー明石店前に古くからK診療所がありました。平成6年ころは診療も辞めて固く閉ざされておりました。立地としては魚の棚通り近く、歩道橋が間じかに付いて店舗としてはまあまあの場所だ。
ひごろから、何にか利用先はないものかと考えている時、出入りの酒屋・ナカノの番頭が、明石で居酒屋さんが出店場所を探しているが何処かないかとの立ち話。
同じく出入りの魚の棚豆腐屋さんに、町内のこととて何か聞いてないかと問うてみた。
マスターいまK診療所は売りにでているよと即答する。k診療所は明石駅前の不動産やに声をかけているようだ。こんな場合売り寝付けと買い寝付けといって、双方懇意な不動産やを使うのが常道だ。
一社だけの仲介に場合、売り買い双方の条件を十分すり合わせることが出来なくなる場合がある。
ここは直接持ち主に当たって条件その他を聞き出す必要があります。
酒屋を通じて居酒屋さんに場所だけは知らせて立地上は希望どうりとの感触を得ておいた。
たまたま県人会の理事会があり、ふと思いついて公文会長にk診療所の院長を御存じないか聞いてみると、同じ大学の後輩で親しくしているとの返事だ。ビギナーズラックとはこういう幸運を言うものか。さっそく紹介状を頂いて、本院の院長を訪ねた。紹介状の威力は抜群で、出入りの不動産やを呼んで、条件は彼と打ち合わせてくれとなった。売り値は一億円。約30坪の土地にしていい値段だ。
一瞬居酒屋で土地に一億とはと思いながら、売値を連絡する。これが意外とすんなり通った。ただし銀行融資が条件となった。
この時の取引手続きは全く売り側の不動産やさんにお世話になりました。契約書作成、重要事項説明、境界立会など、初めてのことばかりで我が方のE不動産の田中氏とのやり取りを一言逃さず聞き取った。
決済の場で銀行側と買主との間で思い違いがあり、融資の実行に少々手間取るハプニングもあったが、最終無事決済出来た。その時渡された仲介料が三百万。干天に慈雨とはこのことか。押しいただいたのはもちろんのこと。多少の労苦、気遣いはありましたが、さて原価はときかれるとほとんど零。何という仕事なんだと感嘆しきり。ほんと信じられない金額が手中にあった。もちろんお世話になった先にはそれ相当のお礼はいるもののこの醍醐味は確かに私のなかの何かに火をつけた。