山陽立地・つれづれDEEP

10年にわたって書き散らかした事々を、この際一か所にまとめた

TARGETING BIN LADEN(史上初めて直接殺人に手を染めた大統領)

年の暮れとて撮りだめたビデオも観ておかねばとTVの前を動かない。
気になつていたアルカイダ首領のオサマ・ビン・ラデインをパキスタン都市・市街地の潜伏先を2機のヘリコプターで強襲殺戮し、直後全世界にその暗殺結果を誇らしげに公表したセミ・ドキュウメンタリーだ。
かの9.11から10年、米国が威信に懸けて追い続けているオサマの命。早く探し出してその場で射殺せよとの至上命令だ。それもパキスタンという外国の領内に侵入してのこと。
一つ間違えば戦争状態を招きかねない。しかし、何よりもオサマがこの簡練に練っている無差別テロの最大の標的はオバマの命であることは間違いない。ことは一刻を争う。
驚いたことには、ストーリーナレーターをオバマ大統領本人が務める。実写を交えた再現フイルムなんだけど、余程注意してみないことにはどの場面が実写なのか再現なのか分からないほどだ。
何せ、米国はヘリコプター強襲作戦は鬼門で、過去に2度も重大な失敗をやらかしている。
実は今回もそのジンクスどうり、作戦最初の段階で一機墜落の事故を起こした。幸い低空での落下であったためシールズ6の隊員に損傷はなかった。
ここで、その筋書きのいちいちを説明するつもりは全くありません。
というよりも、最後オサマのDNAとファミリーのDNAの一致でその射殺遺体がオサマと判定された後も、オバマの顔には喜びは無かった。

ここで考えるのは、その作戦状況がリアルタイムで大統領執務室のモニターに映し出され、それこそオバマ自身がアサッシンを指揮しているようだ。
大統領はあらゆる観点から検討を加え、幕閣の意見を集約したうえで、最終実行の決断を下した。
その点で、個人が個人を殺す手段に権力を行使したわけだ。
歴史上、暗君暴君によるホロコースト、大虐殺・粛清は多々あったが、一国の首領が憎しみを露わにテロリスト個人を追い詰め、殺害し、その現場を指揮したなんぞは聞いたことがない。
おまけに犯行声明を堂々開陳するに及んだ。
国史上、凶弾に倒れた大統領は指折り数えるほどだが、自らの手を汚した大統領はオバマが最初だ。おまけにこの大統領は確かノーベル平和賞を貰っているんではなかったか。