山陽立地・つれづれDEEP

10年にわたって書き散らかした事々を、この際一か所にまとめた

第二次朝鮮戦争についてのレポート転記

■迫りくる第二次朝鮮戦争の展開と日本の備え
                     佐藤
北朝鮮金正恩政権が、米国・韓国に対して挑発を強めている。規模は別として、第二次朝鮮戦争の勃発の可能性が高まっている。今後の展開を占うに当たり、先ず関係核国の思惑を下記に整理してみた。

◆各国の思惑◆
北朝鮮金正恩の狙いは、米国と平和条約を結び政権を安堵する事だが、それが叶わなければ軍部のクーデターを防ぐために何らかの冒険に出るだろう。
●米国のオバマ政権は、米国土及び海外基地への核ミサイル攻撃と核拡散を防ぐのが至上命題だ。
そのために、北朝鮮への先制攻撃から、核不拡散を条件に北朝鮮の最悪核保有を認めるオプションの間で、リスクとコストを計算して選択する。
●韓国の朴槿恵政権は、組閣に手古摺る等基盤が脆弱である。
それを挽回するために、北朝鮮の挑発に乗る可能性が高い。
●中国は、北朝鮮を米軍との緩衝地帯として維持する従来の方針から、第二次朝鮮戦争勃発後に休戦調停で介入し統一朝鮮を属国化する方針に変わりつつある。

上記の中国の思惑についてだが、(1)緩衝地帯として北朝鮮を維持したいが言うことを聞かず暴走している、(2)北朝鮮をコントロールして暴走させている、(3)人民解放軍瀋陽軍区が北朝鮮
と結び付き、北京政府のコントロールが及んでいない(長谷川慶太郎氏)等の様々な観測があり、判然としない。

しかし、中国が未だに北朝鮮への食糧・燃料の生命線を絞っていない事や、フィナンシャル・タイムズ掲載の次の微妙な論文で北朝鮮の暴発と米国との「密通」を牽制しつつ、中国コントロール下での
南北統一を「さり気無く」オプションとして提示している事から見て、覇権拡大及び北朝鮮の地下資源と韓国の経済力の取り込みを目的に、国際世論に観測気球を上げながら戦略をシフトしつつある事
が窺われる。

◆金融時報フィナンシャル・タイムズ) 2013.2.28
「北京は瘋癲(ふうてん)の北朝鮮を放棄するべきである」(訒聿文 学習時報中国共産党機関誌)副編集長 注:その後更迭が伝えられる)
http://www.geocities.jp/keitan020211/financialtimes01.htm

◆今後の展開と日本の備え◆
上記を踏まえ、不確定要素が何重にもあるが、敢えて一番有り得そうな展開を占うとすれば以下のような事ではないか。

北朝鮮が、海洋へのミサイル発射等で米国の介入を(決定的な挑発を避けつつ)牽制
●南北小競り合いから、通常兵器戦で第二次朝鮮戦争勃発
●中国の仲介介入、中国もしくは国連主導で休戦調停成立
●その後米国と中国が、朝鮮半島処理を巡って主導権争い
●主導権争いの勝者は、米国の財政難を考えれば、今のところ中国に歩がある。
●中国コントロール下で南北朝鮮統一、中国の属国化(但し国内朝鮮族の民族ナショナリズムを恐れ中国への併合まではしない。)

しかしながら、当然に日本にとって、直接朝鮮半島に少なくとも非民主化の中国の覇権が及ぶことは安全保障上絶対に避けなければならない。
また、例えば南北交戦中や南北和解の景気付け等に、日本にミサイルが撃ち込まれる可能性も排除は出来ない。

このため日本の取る安全保障戦略は、オバマに積極姿勢を促し、ロシア・インド・韓国・東南アジア諸国と結びつつ、自主防衛を高める事に尽きる。

防衛予算増強、兵器共同開発の範囲拡大、集団的自衛権行使容認、安全保障基本法の制定、憲法改正、所謂核兵器レンタル、オプションとしての核ミサイル保有の模索。

これらを、国際社会の警戒を解きつつ、どれだけ早く進めて行けるかが日本の運命を分かつだろう。

                    以上