山陽立地・つれづれDEEP

10年にわたって書き散らかした事々を、この際一か所にまとめた

サッカー命の日々④今ある危機・グランドでの対立

0dfd0fbd.JPG4回生レギュラーは私とセンターバックの長本省三君の2名。あとは3回生7名に2回生2名。4回生の入れ替え戦断固回避、後がない緊張感そのものと、3回生のまだのんびり気分が残っているものとが、同じグランドで練習すれば、当然意識の食い違いから、なにかにつけて摩擦が起こるのは避けられない。とくに一対一、FW対BACKの練習でも、BACKの私は、まるで試合なみの厳しさと、勢いでハードに攻め立てる。一方3回生FWにすれば、なにをいきっているのとの受けとめとなる。この軋轢は何時か爆発するのは必定.4-5月ころ、最初に練習疲れがピークに達した時。一対一で私とFW細見の組み合わせとなった。猛然とチャージする私。最初は程ほどに受けていた細見も、あまりのしつこさに、思わず「なにすんねん」と大声を上げる。あとのことは良くは覚えていなくて、私と細見の睨み合い、小競り合いがあって、いつの間にか3回井上忠之と長本省三が其々に代わって対峙する。ややあって、二人は目と目を合わして場所を変えようとグランド端の木陰に消えていった。前年11月から、休む間も惜しんでの、練習練習で、引っ張られる方は鬱憤が溜まりに溜まっている。一方ここで変に妥協すれば、あとが続かない。私にとって、最大の切所である。沈黙が支配する中、両名の様子が気になるばかり。ややあって、二人が揃って姿を見せた。もう表情からは先ほどのとげとげしさは消え、何故か自然と練習再開となった。しかしよく見ると、井上忠之のこめかみにデッカイたんこぶ。あとで聞くところによると、長本が手近にあった棒の切れ端で一発かましたらしい。日ごろ口数少なく、温和で通つていた彼にそんな激しさがあったのかと、ほんと驚かされた。・・・練習後、その長本が、先ほどの責任を取って辞めると言い出した。後にも先にも、このときばかりは本心から、辞めないでくれと土下座もいとわず泣いて引き止めた。その甲斐あってか、あまりに私が可哀想に思ってか、なんとか留まってくれることに話は落ち着いた。これ以降、長本は黙々と役割を果たし、試合ではヨレヨレになりながらも、驚くほどの堅守を見せた。よくあそこまでやってくれたもんだと未だに感謝感謝。一生の輩であります。