山陽立地・つれづれDEEP

10年にわたって書き散らかした事々を、この際一か所にまとめた

親族内ローンの勧め

今回は住宅ローンに苦しむ子世代と、年金破綻を恐れる親世代の「相互扶助」でお金を取り返す、知られざる方法を紹介しよう。

 子世代が銀行から30年返済、金利1.96%[注1]で2000万円の住宅ローンを組むと、支払う利息は約647万円だ。一方、その親世代が預貯金を2000万円準備できたとして、スーパー定期に預けても年利は0.025%。
30年塩漬けにしても、受け取れる利息は約12万円に過ぎない。

 しかし、親子2世代を並べてみると無視しがたい構造的な欠陥に気付くだろう。親世代が銀行に預けた2000万円を子世代が間接的に借り受けている構図なのだが、子世代の支払う利息約647万円のうち、親世代には届くのはたったの12万円。
差し引きで約635万円もの大金が親子の「外」に流出している状況だ。

■「銀行外し」で親子双方にメリット

 だが、この構造から脱するのは簡単だ。親子の間から銀行を外し、親世代が子世代に2000万円を直接融資すればよい。親子で可処分所得を約635万円増やしたも同然だ。日経マネー誌でも、これだけの額を確実に殖やせる方法の紹介は初だろう。

 親子双方にメリットがあるように融資金利を0.99%[注2]とすれば、親世代が子世代から受け取れる利息は約313万円にも達する。何とスーパー定期の約26倍だ(図)。
親世代が返済を受ける月6.4万円、年で約77万円[注3]は生活費に回せるので、国の年金制度が破綻したところで痛くも痒くもない。