山陽立地・つれづれDEEP

10年にわたって書き散らかした事々を、この際一か所にまとめた

平成龍馬百話

龍馬の海・神戸  龍馬生誕180年

高知県龍馬記念会館の名物館長・小椋先生の労作。龍馬航海年表が出てきました。 航海と言えるロングは32.そのうち8航海は、神戸・兵庫を出入り港としており、のべ2万キロを上回る。それもたったの5年間で。

石谷家文書発見

従来見過ごされていた、長宗我部と明智光秀との関係の深さを証する石谷家文書が発見されて、話題を呼んでいる。 その文面の切迫さといい、信長四国征伐をまじかに、元親必死の交渉を明智一派を通じて行っていた証左である。 事実、本能寺の変が四国征伐開始…

龍馬「越行の記」発見される・暗殺の少なくとも10日前に認める

原文 越行の記 十月廿八日福井ニ達ス奏者役伴圭三郎来ル御書を相渡ス 直柔が役名を問ふ、海援隊惣官を以てことふ 同夜三十日朝大目付村田巳三郎来ル。 用向無之哉を問ふニ曰ク、近時云々を言上仕り其うへ御論拝承仕度およそ明白なる国論を海外迠も不聞を恐る…

龍馬初めて血判状発見

龍馬が帰郷して徳弘門下となり海岸砲習得の話はだれ知らぬ者なし。その門下の誓詞血判状には武市、以蔵の名前も連なる。 その昔、事に臨んでは血書誓約当たり前。その誓いを破れば、いや破ったと疑われただけで、即刻立腹を切るほど厳しいものだった。 同じ…

龍馬は下田の海を見たか(H24.11.12)

10年ぶりに訪れた下田の港。ボーハタン号での港内遊覧船・黒船も盛況の模様。 吉田松陰が渡米を期して直訴に及んだ浜に立つ。 ところで、この下田の海を眺める龍馬像に巡り会った。我が乏しい知識をひっくり返しても龍馬さんが下田を訪れたという史実は無…

上野・西郷どん(H24.11.09)

あれほど有名な上野・西郷隆盛像といまだ面会を果たしていない。 幕末動乱のうち、西郷が果たした江戸城無血開城の他に、鳥羽伏見の戦端を開く元となった、薩摩方による江戸市中騒擾の首魁としての西郷。まあ、これ程評価の別れる人物も珍しいが、除幕の際、…

龍馬研究189号

龍馬研究の総本山と言えば「龍馬研究会」(高知市)。その御一行が吉村虎太郎終焉の地・奈良吉野郡を尋ねられた帰路、この神戸を訪れられたのが土陽会総会の6月10日。 辛うじて祇園神社で和田事務局長さんと30年ぶりの再会を果たした。その御一行のメン…

龍馬検定・神戸編実施から早や5年  久しぶりの受検者・合格

日本最初の人物検定であり、龍馬検定として平成19年4月15日実施した龍馬検定・神戸編もはや5年余。 今年は郵送検定の応募もこれで終わりかと思っていた矢先、大野雄一様が受検。見事合格されました。 新聞報道ではご当地検定が衰退、明石タコ検定も中止とか…

龍馬と明石

明石と龍馬 そのころは播州明石藩の領地であった舞子の浜に寄り添って建つ旅宿左海屋の一室で、ぼんやり眼前に広がる明石の門を見やりながら龍馬は思わず手に持った大杯を口に付けたまま、「どうすりやえいろ」と土佐言葉でつぶやいた。 隣で飲んでいる高松…

尾張徳川家14代慶勝公のこと

かねてより勤皇の志厚かった慶勝公は、王政復古の大号令ののち、新政府の議定となられた。そして翌正月、佐幕を任ずる御家来衆14人を斬首に処し、同腹の多くに家名断絶永蟄居等の重罰を科して、一挙に藩論を勤皇とした。 あろうことか御三家筆頭が寝返ったの…

谷 干城 とランドセル

谷干城と言えば坂本龍馬暗殺現場にいち早く駆けつけた人物として知られており、その後の活躍は西南戦争時の熊本鎮台を西郷軍の猛攻攻城戦で死守したことで、戦局を政府軍有利に回天させた人物として印象深い。 実は、先般から新書・谷干城伝を就寝の際枕元に…

久坂玄瑞・早すぎた英雄

あの寺田屋事件なかりせば、ほぼ第一次薩長同盟は成立していた。その仕掛け人たる久坂玄瑞。薩摩藩とも土佐藩とも親しく、土佐勤王党をまとめた武市半平太がまず連絡をとったのも久坂であり、久坂に会った龍馬は最終的に脱藩を決意した。 その久坂が武市にあ…

神戸での近藤長次郎①

饅頭屋近藤長次郎については詰め腹を切らされたことばかりが取り上げられ、本当の長次郎はどんな生い立ち、経緯を辿った男なのかあまり関心を待たれていないことを残念に思っている。 その長次郎が、実はこの神戸の街に、ほんの短い間ながら、唯一幸せに満ち…

福岡孝弟の不実

龍馬暗殺の事件当日。この時、なにか危うさを察知していたのが、近江屋の隣の酒屋に下宿していた土佐藩参政福岡孝弟であるまいか。 この日、午後三時頃、龍馬が福岡の下宿にやってきます。「今夜うちにこんか」と誘いに来たのです。「軍鶏鍋をやるき」とでも…

身近に土佐勤王党子孫・113番戸梶直四郎

先日の神戸高知県人土陽会理事会で久しぶりの歓談を交わす中で、黒川理事の母方曽祖父が土佐勤王党113番隊士・戸梶直四郎と判明。流石土佐人の集まり。こんなに身近に龍馬さんの朋友の末裔がおられたとは。『戸梶 直四郎 1822〜1905 とかじ なおしろ…

福岡孝弟①

さて、龍馬最後の日、龍馬さんが頻りに会いたがった一人に土佐藩参政・福岡孝弟がいます。こののち、五箇条の御誓文の原案を書いた一人として記憶されることになるが、何故か政治の表舞台から姿を消します。 最後の日の孝弟の行動も腑に落ちないものがあり、…

11月14日

14日になると、寺田屋のお登勢が龍馬の身を案じて手代の寅吉を寄こします。寺田屋は、薩摩藩の定宿ですから情報が入ったのでしょう。 しかし、龍馬さんは笑って相手にしません。「昨日も永井に会ってもらった、松平容保にも会いましたよ。」しかも容保に安…

林 謙三 後  安保清康

龍馬さんの最後の日々に濃厚に関わった林謙三(のち安保清康)は1842年(天保13年)広島県向島西村、医師の家に生まれた。 18歳、長崎で医師谷川春道門下に。 19歳、蘭医ポンペイにオランダ語を学ぶがやがて英書を読み海軍術を修める。アーネスト…

やがてやって来る平成の藩籍奉還・廃藩置県即ち年金支給停止

龍馬さんが暗殺される直前まで頭を悩ましていたのは、幕府に取って代わる新政府の財源でありました。福井へ出向き由利公正に相談をぶったり、銀座即ち貨幣発行を京都に移そうと提言したり。まあ、一生手許の小銭の塩梅から、大きくは新生日本の財布の中身ま…

11月11日林謙三宛の手紙

前日林に手紙を認めているにも関わらず、翌11日龍馬は永井との面談の後、またまた林にその内容と感想を書き送っている。 永井は龍馬を「後藤よりも一層高大にて、説くところ面白し」と高く評価していた。 龍馬はこの日もその永井とあって、徳川の天下を「…

龍馬最後の5日間・林謙三

庫山堂先生に先を越されて困っちゃう。そこで、ブログ「左ナナメ45度の竜馬」から11月10日の手紙解説を孫引きする。『11月10日送った手紙には、次の2点の事が書かれている。ひとつは、お詫び。もうひとつが、林への希望として、海軍力の増強に尽力し…

龍馬最後の5日間・4通の手紙

偉そうに龍馬最後の5日間の心情等と称して駄文を書き綴っておりますが、内心この結末をどう付けるか暗中模索の迷路に迷い込んでおります。 しかも庫山堂先生の厳しいチェックもあり、しどろもどろ。そこで龍馬研究の常道とされる手紙に舞い戻って11月10…

龍馬最後の五日間・その思う事③

龍馬は通貨発行権を握って、恒常的な朝廷軍を作れるまでは、幕府と戦端を開けないと考えていたかもしれない。紀州藩をせっついて八万両を手に入れても当座の軍資金を賄うに足るかどうか。無から有を生みだすしかない局面で、朝廷の資金をどう確保するか。こ…

龍馬の足跡・福井-九十九橋辺り

北陸越後1540K激走の終わり、一気に新潟から福井ICへと向かったのは、どうしても福井での龍馬さんの足跡を確かめたかったからだ。 2度の福井行きの内、いよいよ大政奉還となって新政府の財政上の施策の相談に福井にあった三岡八郎(由利公正)に相談…

龍馬最後の5日間・その思う事②

いまだ徳川家が保持する通貨発行権の怖さを、この時期一番理解していた人物が龍馬であり三岡八郎だった。三岡は通貨を発行して政府を運営する事に日本で一番詳しい人で、この人に聞けば、通貨政策をどのように確立すればよいかが分かる。その事を鋭く見抜い…

龍馬最後の五日間・その思う事①

暗殺の十五日ほど前、龍馬は前福井藩主松平春嶽(慶永)の側近村田巳三郎と三岡八郎(のちの由利公正)に会うために福井に行きます。その理由は①とにかく慶喜に将軍職を辞めさせること。その為に先ず村田巳三郎に面会する。彼こそが春嶽の側近として大政奉還…

坂本龍馬新聞発見」

龍馬甲子園2010寄稿「龍馬さんの存念を知る」神戸龍馬子

拝啓 龍馬様 一筆啓上仕候と書きかけて、さて龍馬さんはこの一筆啓上仕候で始まる手紙を何通書いたのか気になり、宮地佐一郎先生編の「龍馬の手紙」を開きました。結果11通を確認。これは、現在知られている手紙総数139通の1割弱にあたります。 そのうちの5…

永井玄蕃に会う・十一月十一日

十一月十一日やっと永井玄蕃に会う事が出来た。「今朝永井玄蕃方に参り色々談じ候」薩摩に近い林謙三宛の手紙に書かれている。 ところで、やっと会えた永井玄蕃の下宿の隣に「やす寺(松井寺)」というお寺があり、そこには見廻り組与頭の佐々木只三郎が下宿…

永井尚志(ながいなおゆき)の事

龍馬が頻りに働きかけていた永井尚志の事を少し勉強する。 幕末の幕府官僚だった永井尚志は負け戦と分かっていながら、榎本武揚や新撰組・土方歳三らとともに函館まで戦い、破れたのちも明治になって任官を受けて生涯日本の為に働いた人。 それこそ幕府の幕…